いなほの本棚

ASD女子大生の読書記録

『こころが晴れるノート』やってみた【認知療法】

最近気分が落ち込んでつらい…なんだか毎日に疲れてしまった…

お疲れ様です。努力家で優しいあなたのことだから、がんばりすぎちゃったんですよね。

そんなあなたに贈りたい本。それが『こころが晴れるノート』です。

この本で紹介されている認知療法のワークを通して、いつも張り詰めてがんばってきたあなたに、ちょっとでもリラックスしてほしいんです。

〈目次〉

書籍情報

  • 題名:こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳
  • 著者:大野祐
  • 出版:創元社
  • 発行:2003年3月20日

認知療法とは?

私たちはみんな違う世界に生きています。個人個人が「思い込み」という眼鏡をかけて物事を見ているからです。

これはつまり、あなたの「思い込み」を変えれば、違う世界が見えてくるかもしれないよということ。

認知療法はその「思い込み」を自覚することで修正し、あなたを生きやすくする方法のひとつです。

自動思考

「思い込み」のことを、本書では「自動思考」と呼んでいます。

本書はこの自動思考による認知の歪みを整えることを目指します。自動思考は根拠のない感情的なものが多く、余計な不安やうつを招いてしまいがちだからです。

説明だけじゃわかりにくいので、実際に私が本書で紹介されている自動思考のワーク(43~69ページ参照)を簡略化してやってみます。

あなたも私と一緒に自動思考のワークをやってみてください。少しこころがラクになりますよ。

自動思考のワーク

1、状況

気持ちがマイナス面に大きく動いたときの場面を詳しく書きます。

私は拒食症(摂食障害のうち、食べることを極端に拒む精神疾患)で、最近「昼ごはんを食べ過ぎた」ことに激しく動揺してしまいました。

・昼ごはんを食べ過ぎた

→両親とランチにそば屋に行ったが、そばが口に合わなかったので付け合わせの天ぷらを代わりに食べた。昼ごはんの時間が遅かったのでお腹がすいていて、思ったよりたくさん食べてしまった

2、気分

そのときの気分を一言で表現します。また気分の強さの度合いをマックス100%として書き込みます。

不安 80%

罪悪感 50%

怖い 90%

3、自動思考

書き出した気分を体験したときに感じたことを、心のままに記入していきます。

・不安…天ぷらを食べ過ぎて、お腹を壊してしまうんじゃないか。油物だから、あとで気持ち悪くなってしまうのではないか

・罪悪感…カロリーの高いものを食べてしまった。朝ごはんは普通に食べたのに。

・怖い…天ぷらは高カロリー高糖質だから、太ってしまうんじゃないか。太るのがすごく怖い。

4、根拠

自動思考を裏付ける根拠を考えてみます。大切なのは、主観的にならないこと(自分の感情で判断しないこと)。

全部やると長くなってしまうので、いちばん強い気分である「怖い」を取り上げます。

・中高生のとき高カロリー高糖質なもの(天ぷら、お菓子)が好きで、たくさん食べていた。周りからぽっちゃりしていると言われていた。実際に体重は今より15キロも重かった。

5、反証

ちょっと深呼吸して落ち着いたところで、自動思考と矛盾する事実がないか考えてみましょう。

・そもそも太ることの何が悪いのか。

・今の私は痩せすぎで、むしろたくさん食べて体重を増やさないといけない。食べ過ぎを話題にすること自体が論外

・確かに高カロリー高糖質は太るけど、それは食べ過ぎたらの話。両親はむしろ天ぷらしか食べていないから量が足りないぐらいと言っている。しかも食べた天ぷらの量も普通にそばを食べた両親よりも少ない。

・お腹がすいていてたくさん食べるのは普通のこと。

・拒食症の症状のひとつで、そもそも食事量の認知の歪みがある。患者が食べ過ぎたと思っても、実際は食べ過ぎていないほうが多い。

6、適応的思考

ステップ4と5で考えたことを参照に、自動思考とは異なる考え方ができないか模索します。

・天ぷらは高カロリー高糖質だから、太ってしまうんじゃないか。太るのがすごく怖い。

→確かに高カロリー高糖質は太るし、中高生のときはぽっちゃりしていたけれど、それは量をたくさん食べていたから。

→今回は病気じゃない両親から見て全く食べ過ぎてないし、そばを食べていないことを考えるとむしろ少ないくらい

→それに今の私は痩せすぎで、太らないといけない。そもそも食べ過ぎを気にするべきじゃない

→それに大体、太っていることは「悪」じゃない

自動思考に囚われて

ワークを終えて気分、少しはラクになりましたか? ちょっと力が抜けた? それならよかった。私もちょっとラクになりました。

太っちゃう太っちゃうって怖がっていたけれど、そもそも太らなきゃいけないから太る心配をしているのがおかしい。

食べ過ぎたというのは病気の症状によるもので、実際には食べなさすぎレベル。

だから何も心配することはなかったんですね。ふっと、心がほぐれました

こんな風に私たちはあらゆることを早とちりしてしまって、つらくなってしまうことが多々あります。

だからこそ自動思考のワークを通じ、認知の歪みを自覚して修正する練習をすることが大切なんです。

まとめ

とはいえ考え方のクセを変えることはそう簡単ではありません

ですから心の余裕があるときに少しずつ練習していくのがオススメです。無理は絶対に禁物ですよ。

本書には他にもあなたの「思い込み」を修正するワークがたくさん紹介されています。

私と自動思考のワークにトライしてみて、少しでもよかったな、効果があったなと感じたら、本書の他のワークもやってみてくださいね