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ASD女子大生の読書記録

マインドフルに生きるには?|川野泰周『半分、減らす』【要約・感想】

結婚していて、働いていて、お金もある程度あって、子どももいて…。幸せなはずなのに、なぜか毎日が虚しい

幸せなはずなのに満足いかない生活に悩んでいるのはあなただけではありません。私もこの本を読むまで、満ち足りているはずなのに何か毎日物足りないと感じていました。

何で満足できないのか。それは「心、ここにあらず」で無意識に支配されて生きているから自分の人生が自分主導になっていないからです。

そんなあなたに僧侶であり現役精神科医である著者が、自分の人生を自分でコントロールする方法を教えてくれます。

〈目次〉

書籍情報

  • 題名:半分、減らす
  • 著者:川野泰周
  • 出版:三笠書房
  • 発行:2021年10月15日

何でもマインドフルに

本書の題名は『半分、減らす』ですが、内容は「マインドフルに生きる方法」です。マインドフルに生きる方法のひとつが、半分減らすことなんです。

じゃあマインドフルとは何なのかというと「心がここにある」状態のことです。無意識ではなく、意識がある状態のことです。

私たちは忙しい日々を送る中で気付けば「心ここにあらず」状態、マインドレスになっていることが多いです。

例えば…、

おいしいと思って食べてますか?

スマホを片手に、テレビを見ながら、片手間におかずをかき込んでいませんか? もしくは忙しさのあまり、早食い競争のごとくガツガツと料理をかき込んでいませんか?

そんなとき、あなたはおいしいと思って料理を食べていますか? ただ無心で作業のように食べていませんか?

著者は言います。マインドフルに食べてほしいと。そのために「とりあえずはじめの三口でいいので、ゆっくり、ていねいに食べて」みてほしいと。

やり方はこうです。

まずは目の前の料理を見てみます。一息置いて、目の前の料理をじっくり観察するのです。

肉汁がジューシーでおいしそうだとか、旬の野菜が使われていてきれいだなとか、炊きたてご飯の香りがいいなとか。よく見てみると、色々思うところがあるでしょう。

次にその料理を一口、口に入れて目を閉じ、何度も何度も食材を噛みしめます。味がしみ出てくるのを、舌全体で感じるのです。そしてゆっくり、飲み込みます。

こんなに味噌汁はおいしいんだ

先ほど晩ごはんで、これを実践してみました。

油揚げ入りのお味噌汁。お味噌の甘い香りがして、アツアツの湯気が立ち上っています。目を閉じて油揚げを一口、そしてゆっくりと噛みました。

油揚げの少しシュワっとした噛みごたえ。噛めば噛むほどしみ出てくる汁からは、油と大豆の甘みを感じました。

ゆっくりと飲み込んで目を開けたとき、私はちょっと感動していました

生まれて初めて、味噌汁をこんなにもおいしいと感じたからです。お味噌汁の味にこんなにも深みがあったなんて、知りませんでした。

その後はいつも通り食べましたが、舌がちょっぴり敏感になって、いつもよりしっかり味を感じました。

それぞれの食材がもつ旨みを感じながら食べるおかずは、「食べる幸せ」を思い出させてくれました。おいしくて、自然と笑みがこぼれました

いつもと同じ食事なのに、本当においしいんです。マインドフルに食べるとはこういうことか、と思わされました。

半分、減らす意味

ところで筆者はなぜ「半分、減らそう」と言っているのでしょうか?

答えは簡単。日々の膨大な数の情報にさらされている私たちの脳は、常にキャパオーバーしているからです。要するにあまりの情報の多さにパンクしているのです。

だからその情報量を「半分、減らして」、脳にゆとりを持たせてあげようというわけです。

とはいえじゃあスマホやパソコンを完全にやめましょうというのは無理があります。もはや生活必需品ですからね。

でも「半分、減らす」だけなら、できるんじゃないでしょうか

食事とお風呂の時間はスマホをやめてみるとか、寝る前はスマホもパソコンも見ないとか。

それも負担に思うなら、こんな感じでも半分減らせるんですよ↓

スマホの整理

私は本書を読んでまず、いちばんよく使うスマホの整理に取りかかりました。

何をしたかというと、使わないアプリをホーム画面から削除し、アイコンだけで何のアプリかわかるので、アプリ名の表示を消しただけです。

でもこれだけでだいぶスッキリして、見やすい画面になりました。しばらく使ってみて、目と脳の疲れが確実に減ったのを感じました。

これはすごいと思った私は、それに加えて本書でオススメされている「グレースケール」をオンにしてみました。グレースケールとは、画面をすべて白黒表示にする機能です。

最初はなんだか寂しい感じがしたものの、慣れてくるとこれがかなり快適で、もう元には戻せないです。

そりゃそうですよね。たくさんのカラフルなアプリのアイコンの下に小さくアプリ名がごちゃごちゃと表示されている状態って、普通に考えれば疲れて当然です。

デスクの整理

ついでに1日の多くを過ごすデスク周りの整理にもチャレンジしました。

デスクだって散らばっていれば情報量が多くなり、スマホやパソコンを永遠と見ているのとなんら変わりません

ですから散らばったデスクも「半分、減らす」べきなのです。

私のデスクは色々な文房具が散らばっていて、書類や本が山積みになっている状態でした。そこでまずは本書に従って、使うものと使わないものに分けていきました

するとびっくり。半分以上、ほとんど使っていないものだったのです。

使うものだけを置いたデスクは自然とサッパリして、とても居心地のよい空間になりました。

驚いたのは、その後デスクでパソコン作業をしていた時です。作業に比にならないくらい集中できて、とにかく作業がめちゃめちゃはかどるのです。

それまでの私は不必要に散らばったものに無意識に目を取られて注意力が低下していたのだと身にしみて感じた瞬間でした。

まとめ

忙しい日々を送る中で私たちは情報の波に飲まれ、マインドレスに生活しています。よりよく幸せに生きるにはマインドフルになるべきです。

マインドフルになるのを手助けしてくれるのが「半分、減らす」こと。全部を変えることなくすことは無理だけれど、半分なら簡単にできます

毎日幸せなはずなのに、なんとなく虚しくて満足できない。マインドフルネスはそんな状況を改善してくれますよ

 
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