「持続可能な開発」とは?|『一番わかりやすい! SDGsのざっくり知識』
近年話題のSDGs。聞いたことはあるけれど、その内容をきちんと理解していない人も多いのでは?
かくいう私もこの本を読むまで、実はよくわかっていませんでした。
〈目次〉
書籍情報
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解説
SDGsとは?
まずSDGsが何かについてしっかりと確認しておきたいと思います。
2015年9月、ニューヨークの国連本部で「持続可能な開発サミット」が開催されました。その時に採択された「2030アジェンダ」の中に示されたのがSDGsです。
SDGsは持続可能な世界を実現するための、17の目標、169のターゲット、232の指標からなります。
17の目標は以下の通りです。長いので読むのが面倒な方は飛ばしちゃってください。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも 経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
ここからは広い分野にわたって平等を実現しよう、未来の人類によりよい世界を残そうという意志が見えますね。
「持続可能」ということ
SDGsの「持続可能」って、どういう意味でしょう?
普通に考えれば、「未来でも続けられる」といったところでしょうか。
それだと今のままじゃまずいからSDGsがあるわけなので、現人類である私たちが何かしらを我慢しないといけなそうですね。
よく考えてみてください。どんなに未来がよくなる行為でも、今がよくなければ続かないし、意味なくないですか?
ここが今回採択されたSDGsのポイントなんです。
例えば節電や節水といって、今の人類が我慢を強いられるようでは意味がない。我慢は続きませんから、それでは「持続可能」とは言えませんよね。
だからSDGsの「持続可能」においては「現在のニーズを満たす」ことも大切なんです。
現代の人類も未来の人類も、満足した生活が送れるようにする。ただやみくもに現代の人が未来のためにあれもこれもやめて、っていうわけじゃないんですね。
盲点
この本を読んでいて、盲点だと思ったポイントについて紹介します。
衣料ロス
「食品ロス」って言葉はよく聞きますよね? でも「衣料ロス」って聞かないし、あんまり意識してなくないですか?
だからこそ考えてみてほしいんです。
ワンシーズンの服、すぐに捨てていませんか? 断捨離とか言ってまだ着られる服、捨てていませんか?
ちなみにファッション業界も、売れ残った商品はトレンドから外れるという理由で捨てています。
それこそが「衣料ロス」です。
安さの裏に
衣料ロスは環境の面からしてやさしくありません。原材料の生産のために大量の水を使うし、捨てられたら燃やされるからCO2が排出される。
でもSDGsの視点で考えるとき、問題はそれだけではないのです。
これは特にファストファッションに言えることですが、服の安さの裏には、必ず低賃金で働かされる人がいます。
つまり安い服の生産の裏には、苦しんでいる人が必ずいるということです。
でも買う人がいるから、その腐敗したビジネスが成り立ってしまっていつまでもなくならない。
この悪循環は、断ち切らなければなりません。
そのために私たちにできること。これこそが、次に紹介するエシカル消費です。
エシカル消費
「エシカル消費」って、聞いたことありますか?
これは「持続可能」な世界を実現するために、「できる限り、人、社会、環境に配慮した製品を買う、そうでないものはなるべく買わない、という態度」のことです。
グローバル化が進む現代だからこそ
現代の社会はグローバル化に伴って、世界の一体化が進んできました。
先ほどの衣料を例に取ると、あなたが安いと喜んで買う服の裏には、貧しい発展途上国で低賃金で働かされる人がいます。でもあなたが買うから、ビジネスが成立してしまう。
こうやって一見関係なさそうな先進国の消費活動に、発展途上国の現状がリンクしているのです。これが現在の世界の一体化の現状です。
だからこそ先進国に生きる私たちは、自分たちの消費活動から見直さなければなりません。
まとめ
SDGsは世界共通の「持続可能」な開発目標として、よりよい世界を実現するために、そしてその世界を未来の世代に残すために採択されました。
それを達成するため、国だけでなく私たち一人一人が行動を改めていくことが求められているのです。
もっと知りたい人へ
SDGsはすべての人に平等な世界を実現するため、貧困や発展の地域的な「格差」の解消を目指しています。
そもそもなぜこんな格差ができてしまったのか、歴史を通じて知りたい方は、こちらの『砂糖の世界史』も読んでみる事をオススメします↓
「砂糖」というモノから奴隷貿易をふり返り、それがどのように現在に影響しているのかを深く考察した良書です。
気になるけれど読むのが面倒という方は、私が読んで考察を書いているので、よかったら参考にしてみてください↓